東国原知事「殺処分の49頭まだ生かしている」(読売新聞)

 感染拡大が収まらない宮崎県の口蹄疫(こうていえき)問題で、県が揺れている。

 特例で家畜移動制限区域外に避難させた主力級種牛に感染が判明した22日、東国原英夫知事は突然、いったんは殺処分にしたと説明していた種牛49頭がまだ生きていることを明らかにした。種牛として残すよう国に要望するという。防疫体制の確保か、宮崎牛ブランドの維持か。政府の対策本部は難しい判断を迫られそうだ。

 東国原知事は22日、同県西都市に避難中だったエース級種牛「忠富士(ただふじ)」の感染判明を受けて記者会見し、主力の種牛6頭が特例を認められたように、49頭についても「協議の余地はないだろうか」と述べた。

 知事は忠富士以外の5頭も感染の可能性があることに触れ、「このままだと宮崎県から種牛がいなくなる。49頭も遺伝子検査をするので、経過観察を認めてほしい」と厳しい表情で語った。

 49頭はもともと忠富士など主力級6頭とともに、県家畜改良事業団(宮崎県高鍋町)で飼育されていた。県は6頭を避難させた後、49頭について、殺したり埋めたりする過程に入っていると発表していた。

 ところが、この後、埋設地などが不足する問題が急浮上。農家側からは「県の施設の牛より、農家の殺処分を優先すべきだ」などの声が寄せられ、処分を後回しにしていた。

 県によると、49頭によだれなど口蹄疫特有の症状は出ていないという。

 宮崎入りしている政府現地対策チーム本部長の山田正彦・農林水産副大臣も22日、記者会見を開き、知事の意向を今週中にも赤松農相に伝え、協議すると語った。

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